新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テレワークを導入する企業が増え、慢性的な運動不足、スタミナ不足を実感している人が増えています。
少し走っただけで息があがってしまったり、階段を昇り降りするだけで息切れしてしまったり……。「年を取ったせいかな」「運動不足かな」と、そのまま放っておいている方も多いのではないでしょうか。
息切れの原因は、病気を含むさまざまな可能性が考えられます。そこで今回は、息切れのしくみや原因、日常生活のなかで行うことのできる予防法をご紹介します。
こちらの記事を参考に一緒に息切れの改善をしていきましょう!
息切れはなぜ起こる?
そもそも息切れとはどのような状態のことを示すのでしょうか。ここでは、息切れが起こるしくみや息切れが起きたときの対処法をお伝えします。
そもそも息切れとは
息切れとは、呼吸をするときに苦しさを感じたり、不快感をともなったりすることです。
具体的には下記のような症状が当てはまります。
- 十分に息が吸えない / 吐けない
- 空気が欲しい
- 息が詰まる
- 呼吸が浅い
- 呼吸が早い
- ぜいぜいする
健康な人であっても、運動をしたときには息切れを感じます。また、年齢を重ねると、些細な動作でも息切れすることがありますが、これらの症状が年齢によるものなのか、もしくは病気のサインなのかを見分けることが大切です。
息切れのしくみ
人間は、階段の昇降やスポーツを行なっているときに、息切れを感じやすいものです。さまざまな原因がありますが、多くの場合、身体が必要とする酸素が足りなくなると息切れが出現します。
人間が運動をするとき、多くの筋肉を動かすためのエネルギーを必要とします。このとき、呼吸によって酸素を取り入れ体内でエネルギーに変えています。激しい運動をすると、私たちの体内から「酸素が足りない!呼吸をもっとしたほうがいい!」という情報が脳へ送られ、息切れを引き起こします。
全身に効率よく酸素を送るためには、肺活量を高めることがポイントです。肺活量を高める方法については、下記の記事でもくわしく紹介していますので、合わせてご覧ください。
運動により肺活量の増加が期待できる?《肺活量を高める方法もご紹介》
息切れが起きたときの対処法
息切れが起きてしまったときは、まずは、その場で深呼吸をして呼吸を整えましょう。運動をしていたり歩いていたりしたら、無理をせず、腰かけるなど楽な体勢になって安静にしてみましょう。
安静にしていても息切れが起こるようなときや、日常の何気ない行動のなかで息切れするようなときは、息切れの裏に病気が潜んでいる可能性があります。内科や呼吸器科、循環器科などで診察を受けることをおすすめします。
息切れの3つの原因
息切れはなぜ起きてしまうのでしょうか。息切れの原因はいくつかありますが、主な3つの原因について解説します。
①病気のサイン
息切れの原因として、心臓や肺の病気があります。
息切れの原因となる心臓の病気としては、心不全、心筋梗塞、狭心症などが挙げられます。息切れの原因となる肺の病気として近年増えているものに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支ぜん息などがあります。
心臓や肺の病気以外にも、高度の貧血や花粉症なども、息切れを引き起こすといわれています。
特に息切れのほかに、冷や汗や吐き気、胸の痛み、めまいなどの症状が出ている場合は、病気のサインである可能性が高いため、早期の受診をおすすめします。
②運動不足
いくつかある、息切れの原因のうち、もっとも多いのが「運動不足」です。運動不足だと心肺機能が低下しがちで、筋力も低下すると、息切れが起こりやすくなります。
また、加齢による心肺機能の衰えや運動不足、喫煙などによっても息切れしやすくなることも。運動不足による息切れは、休憩時間をとることで自然と回復します。
③精神的なストレス
激しい運動やスポーツをしていないときに息切れする場合、精神的なストレスが原因であることが考えられます。
自律神経には、身体を活動モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」があり、互いにバランスを保っています。このうち自律神経がストレスや過労によって乱れると、呼吸が浅くなり、息切れを感じることがあります。
息切れする前に!予防方法
息切れのない、快適な日常生活を送るためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。日ごろからできる息切れの予防法についてお伝えします。
肥満を解消する
体重が増えた分、身体はより多くの酸素を必要とします。心臓はたくさんの酸素を全身に送ろうと、活発に活動します。すると心臓に大きな負担がかかり、息切れが起こりやすくなります。
そのため、肥満を解消することで、息切れが解消される場合もあります。効率的な肥満解消の方法として、インナーマッスルトレーニングがあります。こちらの記事では、インナーマッスルを鍛えることによるダイエット効果についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
インナーマッスルを鍛えると痩せられるの?ダイエットにいい理由や効果的なトレーニング
呼吸筋を鍛える
呼吸をするときには、肺を膨らませるために横隔膜など「呼吸筋」と呼ばれる筋肉を使っています。そのため、息切れのない、スムーズな呼吸を行うためには、呼吸筋を鍛えることが重要です。
この呼吸筋を鍛えることのできる道具のひとつに、「エアロフィット」があります。エアロフィットは、場所を問わず手軽に、呼吸筋をダイレクトに鍛えることができるというメリットがあります。
エアロフィットによるトレーニングを含む、呼吸筋を鍛える方法は、こちらの記事でもくわしくご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
呼吸筋を鍛えるためのトレーニング方法はどのようなものか? 呼吸筋を鍛えるために、何か器具は必要?
正しい呼吸を身につける
日ごろから正しい呼吸を意識して行なっていると、息切れは起こりにくくなります。正しい呼吸とは、浅くて速い呼吸ではなく、深い呼吸です。
人は、苦しいと息を吸い込むことばかりに意識が向きますが、しっかり息を吐くことを意識しましょう。鼻から息を吸い、口をすぼめて、吸ったときよりも2倍の時間をかけてゆっくりと息を吐く「口すぼめ呼吸」もおすすめです。
運動とストレス解消がカギ
息切れというと、病気の可能性も潜んでいますが、もっとも多いのが運動不足です。また、過度なストレスや自律神経の乱れも原因となります。
日ごろから有酸素運動などの運動を行って心肺機能を高め、息切れを予防していきましょう。そして、心と身体に負荷をかけすぎず、ストレスなく過ごすことが大切です。