近年、筋トレのもつ効果について様々なメディアに取り上げられるようになりました。そのため、筋トレは肉体的に健康をもたらすだけでなく、心にも良い影響をもたらすようになることもよく知られるようになりました。
とはいえ、筋トレをするには時間も場所も必要となるため、毎日コツコツと続けるのは意外と難しいもの。そのため、日常生活に取り入れやすい筋トレ方法を知りたいというのが、人情ではないでしょうか。
しかし、筋肉というのはダンベルやスクワットなどで鍛える方法以外にも、筋力を高める方法といものがあるのです。
この記事では、日常生活に取り入れやすく、効果的な筋力を高めるトレーニング方法をご紹介いたします。
筋力トレーニングの効果とは
最近、筋トレにハマる人が増えています。その理由の1つが、筋トレをすることにより、体はもちろん精神的にも良い影響があることが知られるようになってきたためではないでしょうか。
筋トレによる具体的な効果としては、次のようなものがあります。
● 脂肪燃焼からのダイエット効果
適切な筋トレをすることで、筋肉が太くなります。筋肉が太くなると、その筋肉を動かすために体の中でエネルギーが消費されます。
そのため、筋トレをした人のほうが、筋トレをしていない人よりもエネルギー消費量が多くなり、その結果、脂肪が燃焼しやすくなります。
そして筋トレにより脂肪は燃焼されると、大概に排出されることになるので、体脂肪全体が減りやすくなります。その結果、脂肪が減って引き締まった体になりやすくなるのです。
とはいえ、ここで気をつけなくてはならないのは、「筋トレによる脂肪燃焼のダイエットは、必ずしも体重を減らすわけではない」ということです。
筋トレにより、体の中の脂肪が減り、筋肉が増えることになります。とはいえ、実は筋肉のほうが脂肪よりも重いため、脂肪がよほど極端に減らない限り、体重が減るという形でのダイエット効果は見えにくくなってしまうのです。
しかし、体重計の数字に大きな変化はなくても、筋トレをすることで体脂肪率は減少し、体型にもメリハリが付くなどして確実に変化が現れるため、見た目は「体重が減った」ように見えます。
● ホルモンが出るので、幸せを感じやすくなる
筋トレで精神状態が変わる人もいます。というのも、筋トレにより、さまざまなホルモンが分泌され、精神状態が変化するためです。
まず、筋トレにより、セロトニンやドーパミンと呼ばれるホルモンが分泌されます。この2種類のホルモンは別名「幸福ホルモン」とも呼ばれているものです。特にセロトニンは、精神を安定させ気分を高揚させる働きがあります。
また、筋トレによりテストステロンや成長ホルモンも分泌されます。テストステロンは男性ホルモンの代表的なもので、物事に取り組む意欲をUPさせる働きがあります。一方成長ホルモンにもやる気を起こさせたり、精神を安定させる働きがあります。
こうしたホルモンは加齢や肥満により、歳を取ると体内に分泌されにくくなります。しかし、筋トレをすることで、こうしたホルモンも適切に働くことができるようになるため、筋トレにより、精神的にも良い変化が現れるのです。
● むくみが解消される人も
筋トレにより筋肉が太くなると、その筋肉の中を流れる血液の量も増加します。そのため、体内の血流が改善し、冷え性やコリに悩んでいた人の体調が改善されることもあります。
また、血行が良くなると、末端の血管までしっかり酸素と栄養が行き渡るようになると同時に、体内の老廃物も排出されやすくなります。その結果、むくみが消えて、体型がスッキリする人もいます。
むくみ解消にも、筋トレはおすすめなのです。
一般的な筋トレでは鍛えられない筋肉もある
人間の体内には、大小含めて600以上ものの筋肉があります。しかし、残念ながらこの筋肉すべてを筋トレで鍛えることはできません。
というのも、体の意外な部分も筋肉でできているためです。
● 随意筋と不随意筋
人間の筋肉は「随意筋」と「不随意筋」の2種類に別れます。「随意筋」は人間が意識して動かすことができる筋肉で、同時に意識するとその動きを止めることができる筋肉でもあります。
一方、「不随意筋」とは、人間の意識ではその動きをコントロールできない筋肉です。こうした不随意筋は人間が意識しなくても、動き続ける事ができるように、自律神経がコントロールしています。
● 内臓も筋肉でできていることも
こうした「不随意筋」は人間の内臓の多くで見られるものです。例えば、心臓も「心筋」と呼ばれる筋肉で作られているため動くことができますし、胃も筋肉でできているため胃自体が動くことで、消化活動を行うことができます。
実はこうした「不随意筋」は、日常の筋トレでは鍛えることはできません。
基本的に筋トレで鍛えることができるのは人間の「随意筋」なのです。
● 肺は筋肉のおかげで動く
人間の呼吸をつかさどる器官である肺ですが、実は肺自体は筋肉でできている臓器ではありません。そのため、肺が単独では動くことができないのです。もちろん、肺の動きを人間は意識的にコントロールすることはできません。
しかし、肺の周囲にある様々な筋肉が動くことで、肺が動き、呼吸することができます。このように肺の周りにあって、呼吸に関わる筋肉を「呼吸筋」と呼びます。
この呼吸筋は「随意筋」であるため、筋トレで鍛えることができます。また、この呼吸筋を鍛えることで、肺の動きもある程度はコントロールできるようになります。
このように、その周辺の随意筋を鍛えることで、人間の意識では動きを制御できない内臓などもコントロールすることができるようになるのです。
筋力を高めるトレーニングとは?
筋力を高めるトレーニングをしたいが、ジムなどに通う時間がない、という人は多いでしょう。でも、意外と手軽な筋トレでも、目に見える効果を期待することができますよ。
① まずは、腹筋・背筋・腕立てから
まず、筋トレといえば、腹筋・背筋・腕立ての3点セットから始めてみましょう。最初はそれぞれ10回ずつのトレーニングから初めて、少しずつその回数を増やしていきましょう。
こうしたトレーニングをするときには、呼吸を止めて一気に回数を済ましてしまいたくなるものですが、それでは筋トレの効果が半減してしまいます。
ゆっくり深呼吸をしながら、1回ずつ確実にトレーニングしましょう。
②自重トレーニングでちょっと本格的な筋トレ
自重トレーニングとは、ダンベルなどの器具を使わず、自分の体重を使って行う筋トレのことです。そのため前述した腹筋・背筋・腕立ても立派な自重トレーニングではあるのですが、ここでは、違うタイプの自重トレーニングをご紹介いたします。
それは、かの有名な「スクワット」。足を肩幅に開き背筋を伸ばした状態で、膝を曲げて腰を落としてみましょう。この動きを繰り返すのですが、腰を落とすときには、膝が両足のつま先より前に出ないように気をつけましょう。
スクワットをするときに両足の間の幅を通常より大きくしたり、逆に小さくしたりすることで、別の筋肉を鍛えることもできます。
③ 呼吸筋の筋トレ方法とは?
前述の呼吸筋は上半身にある筋肉で、ほぼ体幹を作る筋肉と一致しています。そのため、呼吸筋の筋トレをすることは、体幹(コア)を鍛える筋トレをするのと同じような効果をもたらします。
そのため、体幹の筋トレの一環として、呼吸筋の筋トレをすることもおすすめです。
呼吸筋のトレーニングは難しいものではなくどこでもできる簡単なものなので、日常生活に取り入れやすいことも、うれしいですね。
呼吸筋を鍛えるためのトレーニング方法はどのようなものか? 呼吸筋を鍛えるために、何か器具は必要?
筋トレを日常的に取り入れて快調な日々を手に入れよう
筋力を高めるトレーニングというと、どうしてもスポーツジムに行ってトレーニングをする方法を考えてしまいますがが、実は日常生活で少し意識するだけで効果的な筋力トレーニングをすることも可能なのです。
器具を使わなくても、自分の体重を活用することで、十分に筋力トレーニングの効果を期待する事ができます。
また、筋トレの1つとして、いつも休みなく働いている呼吸筋を鍛えることは、結果的に体全体の筋肉も鍛えることになるため、非常に効果的であると言えます。
筋力を高めるトレーニングの1つとして呼吸筋の筋力トレーニングを取り入れると、姿勢も良くなる上に体力もつくので、快適な毎日を送るのに役立つことでしょう。