筋トレやボディメイクに興味がある方であれば、インナーマッスルに対してアウターマッスルという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
人間の筋肉にはたくさんの種類がありますが、その中でも大きな分類としてインナーマッスル、アウターマッスルの2種類があります。
今回はその2つの筋肉の違いや、それぞれの鍛え方に注目し、ご紹介していきます。
インナーマッスルとアウターマッスルの違い
インナーマッスルとアウターマッスルの大きな違いのひとつが、それぞれの筋肉が位置する「場所」にあります。
インナーマッスルは、その名の通り身体の奥深くにある小さな筋肉で「深層筋」と呼ばれます。自分の意思では動かしにくく、手で触れることができません。
一方、アウターマッスルは、身体の表層に位置する筋肉で「表層筋」とも呼ばれ、私たちが身体に触れて皮膚の上から触ることができる筋肉です。見た目にも分かりやすいため、加齢などによる衰えを感じやすく、「筋肉が落ちた」というときは、このアウターマッスルの衰えを指す場合が多いです。
インナーマッスルとアウターマッスルのはたらき
インナーマッスルとアウターマッスル、これら2つの筋肉は存在している場所だけでなく、はたらきや特徴などにどのような違いがあるのでしょうか。
インナーマッスルのはたらきと特徴
インナーマッスルは
- 正しい姿勢の維持
- なめらかな動作のサポート
- 内臓を正しい位置に納め、機能を促進する
などのはたらきを担っています。
たとえば、揺れる電車の車内で、バランスを保つとき。立っている脚の筋肉だけではなく、お腹や背中、さまざまな場所の筋肉が使われていることに気がつくのではないでしょうか。人間の身体はさまざまな動作ができますが、これをサポートすることがインナーマッスルの大きなはたらきでもあります。
また、インナーマッスルそのものは細くて軽いため、鍛えても筋肉太りになりにくいという特徴があります。また、インナーマッスルは一度に大きな力を出すことはできませんが、持久力が高く、長い時間動き続けることに向いています。そのため、プロのマラソン選手などを想像していただくと分かりやすいのではないでしょうか。
代表的なインナーマッスルなど、くわしくはこちらの記事でも触れていますので、さらに理解を深めたい方はぜひチェックしてみてください。
アウターマッスルのはたらきと特徴
アウターマッスルは
- 大きな力を発揮する
- 関節を大きく動かす
- 骨を守る
などのはたらきを果たします。
たとえば、重いものを持つときや、瞬間的に大きな力を出さなければならないときなどに活躍するのがアウターマッスルです。
アウターマッスルは太くて重い筋肉であり、鍛えることでさらに大きくなり、体重も増加します。そのため、アウターマッスルは細かい動きは苦手ですが、大きく、強く動かすことには向いています。筋肉が太く盛り上がったボディビルダーなどが、視覚的にも想像しやすいのではないでしょうか。
代表的なアウターマッスルとしては、肩をおおう三角筋、胸板を形成する大胸筋、お尻を形成する大殿筋などが挙げられます。
インナーマッスルとアウターマッスルの鍛え方
インナーマッスルとアウターマッスルはトレーニングによって鍛えることが可能ですが、その鍛え方にも違いがあるため、それぞれのポイントを確認しましょう。
インナーマッスルの鍛え方
インナーマッスルは「変化が目に見えづらく、自分の意志では動かしにくい」という特徴を理解したトレーニングを心がける必要があります。
重すぎるダンベルや、強度の強いマシンで無理やり身体を動かすのではなく、ゆっくり小さな動きでも、身体のバランスをとるトレーニングがおすすめです。
インナーマッスルを意識したエクササイズとしては「ピラティス」が有名です。負荷が強すぎずゆっくり行う動作で鍛えることができ、リハビリでも深層筋を意識したアプローチが用いられています。また、EMSなどの外部刺激を頼った鍛え方も手段のひとつです。
また、インナーマッスルはふだん何気なく行っている動作でも鍛えることは可能です。座っているときにお腹を引っ込めて背筋を伸ばしてみることや、身体をひねるなどの動作を取り入れるように心がけることで、インナーマッスルをバランスよく鍛えることができます。
インナーマッスルは体の奥にある筋肉なので、変化が感じられるまで時間がかかりますが、根気強くトレーニングを継続することが何よりも大切です。
インナーマッスルの具体的なトレーニング方法はこちら記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
- 【エクササイズ初心者でもできる!】インナーマッスルの鍛え方を成田医師が徹底解説
- インナーマッスルのトレーニングを徹底解剖!お役立ちグッズや鍛えるコツも
- インナーマッスルを鍛えるならやっぱり筋トレ!トレーニング方法(応用編)をご紹介
アウターマッスルの鍛え方
アウターマッスルはある程度、強度の高い負荷をかけるトレーニングが効果的です。フィットネスジムにあるウエイトマシンなどを使い、できるだけ短時間で、少ない回数でも疲れるような負荷のトレーニングを行いましょう。
筋肉に強い負荷をかけて筋線維に傷がつくと、2~3日ほどかけて回復するときに元の状態よりも少しだけ太く修復します。これを「超回復」と呼びます。この超回復を繰り返すことで徐々に筋肉が大きくなり、さらに大きな力を発揮できるようになります。
そのため、ボディメイクをするならアウターマッスルのトレーニングが効果的であるといわれ、フィットネスジムに通ってマシンなどを利用し、しっかり負荷をかける必要があるでしょう。
インナーマッスルとアウターマッスルを鍛える順番はある?
インナーマッスルとアウターマッスルは、筋肉の場所だけでなく、筋肉の質やはたらきなどが違い、それぞれの筋肉を鍛えることによって与える身体への影響や効果にも差があります。
トレーニングの方法には諸説あり、明確な順番は決まっていませんが、正しいフォームでアウターマッスルが鍛えられれば、それをサポートするために自ずとインナーマッスルも鍛えらます。
一般的に、男性に比べて筋力の弱い女性は、約4倍もひざなど下半身のケガが多いといわれています。そのため、大きな負荷でアウターマッスルばかり鍛えてしまうと、上半身と下半身のバランスが崩れ、ケガにつながることもあります。
インナーマッスルは体を安定させるはたらきもあるため、アウターマッスルを強化するばかりでなく、正しい動きの習得やケガの予防を目的とし、インナーマッスルの強化を図ることも大切です。
自分が理想としている身体や目標に合わせた動きや強度をしっかりと見極めて、インナーマッスルとアウターマッスルをバランスよく、できれば並行して鍛えていくことが望ましいといえるでしょう。
インナーマッスルとアウターマッスルをバランスよく鍛えよう
いかがだったでしょうか?インナーマッスルとアウターマッスルは、連動しながらお互いの機能を補い合う関係にあるため、どちらか一方が極端に弱くなっていると動作にさまざまな支障を感じるようになります。
そのため、健康や運動機能を維持、向上するためには、インナーマッスルとアウターマッスルの両方をバランスよく鍛えることが大切です。2つの筋肉のはたらきや鍛え方の違いを知って、エクササイズやトレーニングを組み合わせてみてください。