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呼吸筋が弱くなるときってどんなとき? リハビリの方法はあるの?

呼吸筋が弱くなるときってどんなとき? リハビリの方法はあるの?

人間の呼吸をつかさどる筋肉群は、呼吸筋と呼ばれています。その名のとおり呼吸筋は筋肉群なので、何らかの理由で筋肉が使われなくなったりすると、その筋力は低下します。

また、加齢によっても呼吸筋の筋力が低下することもありえます。これらによって呼吸筋の筋力が弱くなると、人は呼吸がスムーズにできなくなり、かなり苦しい思いをすることに。しかし、リハビリをきちんとすることができれば、呼吸筋の働きを回復させることができるのです。

そこで、今回は呼吸筋が低下してしまった人のためのリハビリ方法を中心にご紹介いたします。

 

呼吸筋の筋力が低下する原因とは

呼吸筋の筋力が低下する主な理由はいくつかありますが、最もひんぱんに見られるものとしては、次のような原因があります。

①加齢による筋力低下

呼吸筋も筋肉であるため、年を取ることにより筋力が低下します。特に横隔膜や内外肋間筋は、加齢による筋力の低下が最も見られやすい筋肉です。お年寄りはこれらの呼吸筋が弱くなることで息を吐き出すことが難しくなり、肺の空気の循環が不十分になりやすいのです

加齢は人間であればどんな人でも遅かれ早かれ必ず向き合うことになる現象でですが、筋肉は日頃から注意して鍛えておくことで、その低下を最小限に留めることができます。そして呼吸筋もその例外ではありません。

 

②病気による筋力低下

何らかの病気をしたことで、呼吸筋の筋力が低下する場合があります。例えば、筋萎縮性側索硬化症(通称ALSと呼ばれる)という病気は全身の筋肉がだんだん痩せていく病気ですが、この病気では呼吸筋も痩せて筋力がなくなります。

また、ALS以外にも肺気腫・慢性気管支炎・肺炎などの病気になったときでも、呼吸筋が低下します。また、様々な病気の治療で病院に入院した際に人工呼吸器を使用したりすると、呼吸筋の筋力が低下し、回復後にリハビリが必要になる場合があります。

 

③ストレスによる筋力低下

また、ストレスが長い間かかった場合などにも、呼吸筋の筋力が低下することがあります。

というのも、通常人間は呼吸を無意識で行っており、交換神経が十分に働いているときには、呼吸時に横隔膜が活発に動くようになっています。しかし、体が何らかの精神的・肉体的ストレスが長い時間にさらされると、交感神経のバランスが崩れて副交感神経が活発に働き始めます。

副交感神経が働くと呼吸は胸部を主に使う「胸式呼吸」に切り替わります。そうすると横隔膜が使われなくなり、いわゆる「浅い呼吸」になりがちなのです。

「胸式呼吸」で取り入れることができる空気の量は「腹式呼吸」の約半分ほどといわれています。ストレスにより肺に入る酸素の量が減り、横隔膜等の腹部にある呼吸筋が使われなくり、その結果筋力が低下してしまうのです。

 

呼吸筋の筋力が低下すると、こんなことが起こる!!

では、呼吸筋の筋力が低下すると、人間の体にはどのようなことが起こるのでしょうか。呼吸筋がうまく働くことができなくなると、次のようなことが起こると予想されます。

①体に取り入れることができる酸素量が減る

呼吸筋がうまく働かない状態というのは、すなわち、呼吸がスムーズにできていないという状態です。呼吸がうまくできないと、体はいわゆる「酸欠」状態になります。

そのため、特にスポーツをしていないときでも、普通に歩くだけですぐに息が上がるようになりますし、特に階段や坂道を登るときにそうとうな息苦しさを感じるようになるでしょう。人によっては顔色が真っ青になってしまうかも知れません。

 

②脳に酸素が行き渡らなくなる

人間の体の中で最もたくさんの酸素を消費する器官が脳です。そのため、呼吸筋の筋力が低下し体が酸欠状態になると、人間の脳にも様々な影響が現れることになります。

酸欠になると脳内の血管が拡張して、その周囲の神経を刺激することになります。これが「酸欠になると頭痛がする」ときの正体です。頭痛を抱えるというのは、人間にとってかなりのストレスになります。

また、脳が酸欠になると集中力が一気に低下するため、勉強や仕事をする人のパフォーマンスにも悪影響を与えることになりかねません。

 

③精神状態まで変化する可能性も

今まで見てきたように、呼吸筋の低下により酸素が足りない状態というのは、人間の脳と体に様々な悪影響を与えることがわかります。

言葉を変えると、呼吸筋の筋力低下は酸欠をもたらし、体や脳に大きなストレスを与えることになります。そして、酸欠は人間の心にも影響を与えるのです。酸欠になると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が減少し、イライラしたり不安感を抱えやすくなったりします。

このように、呼吸筋の筋力低下やは、体の中に酸欠状態をもたらし、体・脳・心にさまざまな悪影響を与えることになるのです。

 

呼吸筋をリハビリしたい!どんな方法があるの?

病気などにより呼吸筋の筋力が低下してしまったときなどには、早急に筋力を取り戻す必要があります。つまり呼吸筋のリハビリが必要になります。

では、呼吸筋のリハビリとは、どのようなものがあるのでしょうか。簡単に行うことができる、呼吸器のリハビリには、次の3つの方法があります。

①寝転がったまま、腹式呼吸

呼吸筋のリハビリは、他のリハビリと比較すると、病後の比較的早い時期に開始される可能性があります。つまり、体はまだベットに横になった状態でも、呼吸筋のリハビリを開始することが可能なのです。

ベットの上での呼吸筋のリハビリ方法としては、次のようなものがあります。

  1.  ベットの上で仰向けに横たわり、ゆっくりと息を全部吐き切る。
  2. 息を全部吐いたあと、2秒ほど息を止める。
  3. 息をゆっくりと吸い、もう吸えないくらいになったら、その時点で3秒ほど息を止める。
  4. 息を3秒間止めたあと、今度はゆっくりと息を吐く。
  5. 1から5を5回ほど繰り返す。

 

②呼吸筋ストレッチ

呼吸筋をストレッチすることも、リハビリになります。ストレッチの具体的な方法としてはこちらの記事をご覧ください。とはいえ、すでによく知られているストレッチのポーズばかりです。

なお、呼吸筋ストレッチは、無理をせずにできる範囲で少しずつ始めていくことをおすすめします。

 

③呼吸筋を鍛えるための専用の器具を使用

呼吸筋を鍛えるための専用の器具を、リハビリに使用するのも良いアイデアです。そうした専用の器具はネットショップなどで簡単に見つけることができますので、ぜひお試しください。

 

呼吸筋における具体的なトレーニング方法はこちら記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

 

呼吸筋もリハビリできる!!

呼吸筋も筋肉である以上、一度低下したその機能を、リハビリによって回復させることができます。また呼吸は特に上半身の筋肉全体を使う行為なので、呼吸筋をリハビリすることで、他の筋肉も効率的に鍛えることができるのです。

特に喘息やインフルエンザなど呼吸器系統の病気からの回復期には、呼吸筋のリハビリにも取り組むと、日常生活へより早く復帰できるようになるでしょう。病気をしたときには、呼吸筋のリハビリもすることがこれからのスタンダードになっていくかもしれませんね。

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