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ヨガの呼吸法を実践して体調を整えよう!内科医の先生が今日からできる簡単エクササイズをご紹介

ヨガの呼吸法を実践して体調を整えよう!内科医の先生が今日からできる簡単エクササイズをご紹介

 

ヨガは激しい動きはないものの様々な健康増進効果があるとされています。ヨガの効果を最大限に発揮するには呼吸法に注意することが大切です。

ヨガにはいくつもの呼吸法があり、日常生活の中で取り入れることでも身体の不調を改善できる可能性があります。

そこで今回は、ヨガの呼吸法と身体へのメリットについて詳しく解説します!

 

ヨガの代表的な呼吸法

ヨガには独特な呼吸法がいくつもあり、多くの健康増進効果があるとされています。まずはヨガの代表的な呼吸法について見てみましょう。

① ウジャイ呼吸

ヨガは腹式呼吸がメインとなりますが、ウジャイ呼吸は鼻から息を吸い込んで胸を思い切り膨らませ、喉の奥で摩擦音を出しながらゆっくりと鼻から吐き出す呼吸法です。

ヨガには珍しい胸式呼吸による呼吸法ですが、血行を改善して身体を温める効果が期待できます。また、インナーマッスルを鍛えることができるため基礎代謝がアップして痩せやすい身体に導く効果も。深い呼吸を繰り返すことで自律神経バランスが整い、精神をリラックスさせることもできます。

 

② 片鼻呼吸

片鼻呼吸はその名の通り、左右の鼻で交互に息を吸って吐く呼吸法です。右手の中指と人差し指を眉間に置き、薬指と小指で左の鼻、親指で右の鼻を軽く押さえながら行います。

まずは、親指で右鼻を押さえながら左鼻で吸い込み、押さえる鼻を逆にして右鼻から吐き出す…この呼吸を繰り返していきます。

片鼻呼吸には自律神経のバランスを整え、さまざまな身体の不調を整える効果が期待できます。

 

③ カパラバティ呼吸

カパラパティ呼吸は、腹筋を使いながら「フッ!フッ!フッ!」と短く一定のリズムで鼻から息を吐き続ける呼吸法です。

インナーマッスルを鍛えるだけでなく、血行を改善して内臓機能を高める効果が期待できます。また、脳に多くの酸素が取り込まれることで頭がすっきり爽快になるとも言われており、サンスクリット語での「光る頭蓋骨」にふさわしい呼吸法です。

ただし、カパラバティ呼吸は身体への負担が大きな呼吸法です。妊娠中の方や心臓の病気などをお持ちの方は注意が必要。医師に相談してから行いましょう。

 

④ シータリー呼吸

ヨガには珍しく、口から吸って鼻から吐く呼吸法の一つです。座った状態で姿勢を正し、舌先を口から出してストローのように丸めた状態で息を吸い込みます。そして、鼻からゆっくり吐き出しましょう。

出典:夏でも涼しくなれるシータリー呼吸法⁉涼しい夏を過ごすシータリー呼吸法のやり方

舌先で冷たくなった空気を吸い込むことで体温を下げる効果があるだけでなく、イライラ感や不安感などを改善する効果も期待できます。眠気覚ましや集中力を高めたいときにもおすすめです。

 

ヨガの呼吸法にはどのようなメリットがある?

ヨガには上述した呼吸法以外にもさまざまな呼吸法があります。私たちは普段特別な意識をすることなく呼吸を繰り返して生活していますが、ヨガの呼吸法には身体に多くのメリットがあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく見てみましょう。

① 血行改善

基本的にヨガはお腹を膨らませながら息を吸ったり吐いたりする腹式呼吸を行います。腹式呼吸を繰り返すと横隔膜が刺激されて副交感神経が活性化するため、血管が広がって血行が改善していきます。また、腹式呼吸は深い呼吸になるため多くの空気を吸い込むことが可能です。血行が良くなる効果と相まって全身に多くの新鮮な酸素が運ばれるようになり、頭をすっきりさせる効果も期待できます。

 

② 自律神経バランスが整う

ヨガの基本となるゆったりした腹式呼吸は、活発に働きすぎる交感神経を鎮めて自律神経バランスを整える効果が期待できます。また、ヨガの独特な呼吸法の一つである片鼻呼吸は左右の鼻での呼吸を繰り返すことで交感神経と副交感神経を交互に刺激してバランスを整える効果があるとされています。

自律神経バランスの乱れはイライラ感や気分の落ち込みなど精神的な不調、動悸・のぼせ・胸焼け・便秘・頭痛などさまざまな身体的不調の原因となります。

心身の不調が続いているときはヨガの呼吸法を取り入れてみるのもおすすめです。
 
呼吸法と自律神経の関係についてはこちらの記事も参考にして下さい。
呼吸方法を変えて自律神経バランスを整えよう!【医師が詳しく解説!】

 

③ 基礎代謝アップで痩せやすい身体に

ヨガの呼吸法の多くは、横隔膜、腹横筋、多裂筋などのインナーマッスルを鍛える効果があります。インナーマッスルは身体の動きをサポートする働きだけでなく、正しい姿勢をキープするのにも必要な筋肉。

インナーマッスルが鍛えられると基礎代謝もアップして痩せやすい身体になります。また、内臓の機能をアップさせ、身体の不調を改善する効果もあります。

 

ヨガの呼吸法をマスターできるエクササイズ

ヨガの呼吸法にはさまざまなメリットがあります。しかし、ヨガは「難しそう」、「挑戦するには敷居が高い」と思われがちです。

最後に初心者でも挑戦しやすい「ヨガ呼吸法のエクササイズ」をご紹介します。

① 「基本のポーズ」で腹式呼吸を

ヨガの呼吸法をマスターするには腹式呼吸のコツを掴むことが大切です。
まずはヨガの「基本ポーズ」とも言える安楽座のポーズを取りましょう。安楽座のポーズとは、背筋を伸ばしてヨガマットなどの上に胡坐のように座るポーズのこと。ポイントは、座骨をしっかり床につけて身体の重心バランスをとり、両足は身体の中心ラインの前に置くことです。両手は肩の力を抜いて膝の上に軽くおきましょう。

このポーズが取れたら、お腹を膨らませることを意識して鼻から息を吸い込み、最大限に膨らんだところで鼻からゆっくり吐き出していきます。吐き出すときは、お腹をしっかりへこませることが大切です。
慣れてきたら呼吸のリズムも意識してみましょう。息は4秒ほどかけて吸い込み、10秒ほどかけてゆっくり丁寧に吐き出すのが理想です。

 

② 肋骨の動きを感じて胸式呼吸を

ヨガ呼吸法の多くは腹式呼吸ですが、交感神経を刺激する胸式呼吸を取り入れることも少なくありません。

胸式呼吸は普段私たちが多く行っている呼吸法です。しかし、胸式呼吸に必要なインナーマッスルを鍛えるとより高い健康効果を得ることができます。

胸式呼吸でインナーマッスルを鍛えるには、上述した安楽座のポーズになり肋骨が引き上げられるのを意識しながら鼻で息を吸い込み、肋骨が閉じられていくのを意識してゆっくり息を吐き出すエクササイズがおすすめです。

息を吐くときはお腹に力を入れて肺に入った空気をすべて吐き切るイメージで行うのがポイント。肺活量も鍛えられるため、活動力がアップするという効果もあります。

慣れないと肋骨の動きが掴みにくいですが、息を吸い込むときは胸を突き出して左右の肩甲骨を寄せるようにすると肋骨が引き上げられていくのが分かりやすくなります。

 

③ 「キャットアンドカウ」にトライしてみよう!

腹式呼吸と胸式呼吸のコツが掴めたら、ヨガの基本ポーズの一つである「キャットアンドカウ」に挑戦してみましょう。

キャットアンドカウとは、その名の通り、背中を丸めた猫と背中を反らせた牛のポーズを繰り返すもの。柔軟性がなくてもできますので、ヨガ初心者におすすめのポーズです。

 

出典:背骨のアンチエイジング! 〜猫と牛のポーズ(キャット&カウ)〜

 

まずは四つん這いになって背中を伸ばしながらおへそ引き上げます。そして、ゆっくり息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら胸を開くように背中を反らせます。ポイントは、動作と呼吸を連動させること。ゆっくり姿勢を変えながら動きに合わせて息を吸ったり吐いたりしましょう。

安楽座のポーズで呼吸するよりも多くのインナーマッスルが刺激されるため高いエクササイズ効果をえることができます。凝り固まった背中や肩の筋肉がほぐれるため、身体が軽くなる実感も。

  

ヨガの呼吸法をマスターして心身の健康をゲットしよう!

ヨガの呼吸法は、自律神経バランスを整え、血行改善や基礎代謝アップなど様々な効果があります。リラックス効果も高いため、ストレス解消にも役立ちます。

ヨガには多くの呼吸法があり、マスターするのは難しいと思われがちです。しかし、ヨガの経験がない方でも挑戦できるエクササイズもあります。

今回ご紹介した簡単エクササイズをスキマ時間に取り入れて心身の健康を目指してみましょう!

 

執筆者 成田 亜希子 医師

2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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