ランニングや水泳、そしてウォーキングと同様に、自転車も有酸素運動の一つです。
しかし、自転車に乗ることを本格的に楽しもうとすると、筋肉の重要性を実感する人が多いのではないでしょうか。
特に坂道を自転車で上るときなどは、筋力を鍛えておくことが重要になります。というのも、筋力が足りない状態で坂道を上ると、脚でペダルが思うように踏み込む事ができなくなって走るリズムを崩してしまい、その結果疲労度が高くなるのです。
こうした状況を避けるため、サイクリストは筋肉トレーニングも積極的に取り入れる必要があります。
この記事では、自転車に乗る人が鍛えるべき筋肉をいくつかご紹介いたします。
自転車に乗っているときに使われている筋肉3種類
大腿四頭筋
大腿四頭筋とは、太ももの表側に位置している4つの筋肉群のことです。具体的には、大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つの筋肉を意味します。
自転車に乗っている時にはこれらの太腿の筋肉が上下の動きを繰り返すことで、人間のエネルギーがペダルに伝わり、自転車を前進させます。
よく、「競輪選手の太ももの太さは、女性のウエストよりも太い」などと言われることがありますが、それはこの大腿四頭筋が自転車に乗ることで発達し、太ももが太くなったということを意味するものです。
週に数回趣味で自転車に乗るような人は、プロの競輪選手のような太い大腿四頭筋を持つことはまずありません。しかし、自転車に乗ることでこの部分の筋肉が適度に鍛えられた結果、脂肪が減少し、太ももが適度に引き締まって見えるような効果は期待できます。
ハムストリングス
ハムストリングスとはおしりの付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏周辺にある筋肉群のことを指します。具体的には大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3種類の主な筋肉で形成されている部分です。
前述の大腿四頭筋と連動することで、膝の曲げ伸ばしをしながら脚を上下に動かす運動をコントロールすることができる筋肉群です。
大腿四頭筋とハムストリングスの筋肉のバランスが悪いと、肉離れを起こしやすくなったり、腰痛に苦しむことにもなりかねません。
また、ハムストリングスはお尻の筋肉とも連動しているため、自転車に乗る人はこの筋肉を鍛えると、長い間自転車乗ってもお尻が痛くなりにくくなります。
腹直筋
腹直筋とは、いわゆるシックス・パックと言われる部分です。
体幹を維持するために大切な筋肉で、この筋肉を鍛えることにより、自転車に乗っているときでも長時間前傾姿勢を保つ事ができるようになります。
また、この腹直筋は呼吸をつかさどる重要な筋肉の一つです。
いわゆる腹式呼吸をする時にはこの腹直筋が働くことで、息を体外に排出することができます。
自転車に乗る人にとっては、姿勢の維持と呼吸のために、腹直筋を鍛えておくことは重要なのです。
自転車に乗る人にとって、筋トレはなぜ重要なのか
では、自転車に乗る人にとって、なぜ筋トレは重要なのでしょうか。
その答えとして、主に次の3つの理由が考えられます。
① 長くペダルを回し続けるため
自転車に乗る場合、短い人でも数十分、長い人だと数時間もペダルを踏み続けることになります。
その間、ほぼ休むことなくサイクリストはペダルを踏み続けることになります。
ペダルを回し続けるということは、何度も膝の曲げ伸ばしを繰り返しながら、脚を上下させているということです。
その長時間の運動に耐えることができる足の筋肉が、サイクリストには必要なのです。
② 長くサドルの上に乗り続けるため
本格的に自転車の乗っている人の多くは、サドルの上で相当な前傾姿勢をとっています。
自転車で走るときに体に受ける空気抵抗を減らすために、サイクリストは前傾姿勢を取ります。
しかし、基本的に自転車のスピードが上がれば上がるほど、サイクリストが受ける空気抵抗は大きくなります。
つまり、速く走ることができるサイクリストほど、強い空気の抵抗を受けることになるのです。
そのため、速いサイクリストほど体幹を鍛えて、強い空気抵抗に負けないための前傾姿勢を維持する必要があります。
サドルの上に乗り続けるために、サイクリストには筋トレが必要なのです。
③ 長く呼吸し続けるため
自転車に乗っている間、多くの人は腹直筋をフルに使った「腹式呼吸」で息をしています。
しかし、腹直筋は呼吸を支える筋肉であると同時に、体幹を維持する筋肉でもあります。
つまり、自転車に乗っている間、腹直筋は体幹の維持と深い呼吸という2つの重要な役割を担い続けているのです。
腹直筋が披露してしまうと、人間は深い呼吸ができなくなります。
十分に必要な呼吸ができないと、体内に必要な酸素が行き渡らなくなり、脳や筋肉が疲れ始めます。
そうした状況が長い間続くと、酸欠のために脳や体が疲れてしまい、サイクリングを続けることができなくなってしまうのです。
このようなことを避けるため、サイクリストは常に腹式呼吸していたほうが良いということになりますし、腹式呼吸をするためには腹直筋をしっかりと使えるようにすることが必要となるのです。
自転車に乗るとき使う主な筋肉の鍛え方
自転車に乗るときに使う主な筋肉を鍛えるには、どのようなことをするべきなのでしょうか。
具体的には、以下の2つのようなことが考えられます。
下半身を中心とした筋トレ
自転車に乗るひとにとって、下半身を中心とした筋トレをすることは、ほぼ必要条件とでも言うべきものです。
サイクリングを楽しむために、そして様々な怪我を避けるために、サイクリストは下半身を中心とした筋トレをトレーニングに取り入れる必要があります。
具体的には、多種多様なスクワットやランジのトレーニングを取り入れることで、下半身の筋肉を鍛えることができます。
また、日常生活でも意識して荷物を持ちながら階段で上り下りをすることも、良い筋トレとなることでしょう。
呼吸筋の筋トレ
また、腹直筋をはじめとする呼吸筋の筋トレも、サイクリストには有効なトレーニングとなるでしょう。
呼吸筋を鍛えることで、自転車に乗っている間も深い呼吸ができるようになり、酸欠で苦しむことが少なくなります。
加えて呼吸筋の多くは上半身に集中しているため、呼吸筋を鍛えることは上半身全体の筋トレになります。
そのため、呼吸筋を鍛えることで自転車の上で前傾姿勢が取りやすくなると同時に、維持することもできるようになるのです。
こうした理由から、サイクリストにとって呼吸筋の筋トレはメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。
具体的な呼吸筋の筋トレ方法は、次の記事が参考になるでしょう。
呼吸筋を筋トレ方法とはどのようなもの? 呼吸筋を鍛えると腹圧は上がる?
サイクリングを楽しむために、自転車でよく使う筋肉をしっかり鍛えよう
自転車に乗る人にとって、筋肉トレーニングはとても重要です。
特に下半身の筋肉が付き、坂道でもペダルをしっかりと踏むこむ事ができるようになれば、体の疲労度が増えにくくなり、長い時間サイクリングを楽しむことができるようになります。
また、自転車に乗る人は上半身の筋肉を答えておくことで、呼吸がスムーズに行えるようになると同時に、前傾姿勢を長く保つことができるようになることで、より速いスピードで走ることができるようになります。
全身の筋肉をしっかり鍛えて、自転車を楽しみましょう。