人間の体の中には、小さくても重要な働きをしている筋肉がたくさんあります。
そのうちの一つが胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と呼ばれる筋肉です。
頭と体とをつないでいるこの筋肉が動かなくなると、文字通り「首が回らない」という状態になってしまいます。
また、この胸鎖乳突筋は呼吸を助ける役割をもつ呼吸筋の一つであり、この筋肉が疲労してしまうと、胸部をうまく開くことができず、浅い呼吸になってしまうのです。
浅い呼吸は健康にはもちろん、美容にも悪影響を与えます。つまり、胸鎖乳突筋は健康と美容の両方にアプローチできる、重要な筋肉なのです。
この記事では胸鎖乳突筋の鍛え方とそのメリットをご紹介いたします。
胸鎖乳突筋の位置と役割とは
今回の記事で取り上げる胸鎖乳突筋は、けして大きな筋肉ではありません。
しかし、人間の姿勢を保ち、生きていくためには重要な役割を持つ筋肉の一つです。
胸鎖乳突筋は首の側面に位置
胸鎖乳突筋とは、耳の後ろから鎖骨にかけてつながっている筋肉です。
顔を横に向けると首に少し太い一本の筋肉が浮き出ます。これが胸鎖乳突筋です。
出典:胸鎖乳突筋 | ワコールボディブック
この筋肉が衰えると、ストレートネックになったり、文字通り首が回らなくなったりする上に、二重顎になりやすくなるなどの悪影響が体に現れます。
頭を上げる際に使われる筋肉
この胸鎖乳突筋は、横になっている状態から頭だけを上げるときに使われることになる筋肉です。
人間の頭は頭蓋骨や筋肉そして皮膚などを合計すると、約5kgの重さがあると言われています。
その人間の頭を首の上に設置した上で、前後左右に動くようにしている働きを持つのが、胸鎖乳突筋です。
例えば、顔を下に向けた時などに、頭の重さを支えている筋肉の一つが胸鎖乳突筋であるため、寝違えをしたときなどにこの筋肉を痛めてしまうと、首が全く回らないという状況になってしまうのです。
胸鎖乳突筋が凝ると、呼吸も浅くなりがちに
胸鎖乳突筋の一方の橋は鎖骨につながっています。
鎖骨は胸式呼吸をするときに、大きく動いて胸部を広げます。
そのときには、鎖骨につながる筋肉が働くことにより、鎖骨自体が上に持ち上げられて、胸郭が広がりことになります。
しかし、胸鎖乳突筋のような鎖骨につながる筋肉が動かなくなると、胸郭をうまく広げる事ができなくなります。
胸郭が開かないと、人間は胸式呼吸をすることができません。
つまり、胸鎖乳突筋を痛めていたり、あるはこの筋肉が凝っていたりすると、人間の呼吸自体に悪影響を与えるということにもなるのです。
胸鎖乳突筋を鍛えると、こんないいことが!
では、この小さな胸鎖乳突筋を筋トレすると、体にはどのような良い影響が現れると考えられるのでしょうか。
具体的には、主に次の3つの効果があるものと思われます。
① 小顔効果
胸鎖乳突筋が正しく働いていないと、首を前に突き出した猫背の姿勢になりがちです。
この姿勢を長い間続けてしまうと、二重顎になったり、首が不自然に太くなりがちです。
しかし、胸鎖乳突筋を鍛えることで、頭の位置が修正されると、こうした二重顎や首の太さが解消されます。
その結果、小顔になりやすくなるのです。
② リンパの流れの改善
また、胸鎖乳突筋を鍛えると、首から胸部にかけてのリンパの流れが改善されます。
胸鎖乳突筋がある首の前側には、大きな神経細胞群やリンパ管そして頸動脈まで通っており、体の中でも、非常に重要な期間が集中している部分です。
出典:「リンパ」の機能が及ぼす影響【頭部リンパほぐし】 | J-walk【高潤度_濃密ヘアエステ・弱酸性縮毛矯正】|世田谷区梅丘の美容院
そのため、胸鎖乳突筋を鍛えることで、リンパ管の流れが良くなるだけでなく、神経細胞や血管の流れも同時に改善されることになるのです。
首の部分のリンパの流れが改善されると、小顔効果が一層強くなるだけでなく、肩こりも改善されるため、筋緊張性頭痛も軽減することでしょう。
③ 呼吸の改善
そして、胸鎖乳突筋を鍛えると、特に胸式呼吸で深い呼吸ができるようになります。
前にも述べたとおり、胸鎖乳突筋は鎖骨を持ち上げる役割があるため、この筋肉が鍛えられると、より大きく胸骨が開くようになります。
その結果、肺の中により多くの酸素が流入することになり、体中に運搬される酸素の量が増えることになります。
肺活量も増えるため、スポーツや吹奏楽で楽器をする人はその変化にすぐ気がつくことができるのではないでしょうか。
胸鎖乳突筋の鍛え方
出典:プロ指導!緊張して硬くなった、胸鎖乳突筋のほぐし方【7のストレッチ術】 | Precious.jp(プレシャス)
頸動脈など体の重要な器官が集中する首に位置する胸鎖乳突筋ですので、鍛えるには若干の注意が必要です。
今回は、誰もが安全に胸鎖乳突筋を鍛えることができる方法として、マッサージとストレッチ、そして専門の呼吸筋トレーニングの器具を使った方法の3種類をご紹介いたします。
まずはマッサージから
胸鎖乳突筋をマッサージすることから始めてみましょう!
一日中、5kgもある頭部を支えている胸鎖乳突筋。
加えて現代ではスマホを見る時間が長いため、下を向いている時間が長いことも、胸鎖乳突筋を疲労させる原因になっています。
そんな働き者の胸鎖乳突筋をマッサージは、まず、正面を向いた姿勢をとったあと、顔を右に向けます。そうすると首の左側の胸鎖乳突筋が浮き出てくるので、そこを指先や手のひらで優しくさすってあげましょう。
1分ほど優しくさすったあとで、今度は顔を左に向けてから、首の右側に浮き出る胸鎖乳突筋を優しくさすりましょう。
なお、マッサージする時には、けして指先で強く押してはいけません。また、マッサージの前に暖かなタオルで首を温めておいても良いでしょう。
簡単なストレッチもおすすめ
マッサージをしたあとは、すこしストレッチも加えてみましょう。
顔を正面に向いた姿勢で、右手の指先を右肩に、そして左手の指先を左肩に置きます。
そして、そのままの状態で顔を右に向け、10秒ほどそのままの状態をキープします。
続いて、同様に左側を向いて、10秒ほどそのままの状態をキープします。
この動きで胸鎖乳突筋がしっかりとストレッチされるため、人によっては肩こりがかなり解消されます。
呼吸筋を鍛える専用の器具を使うのもおすすめ
すでに述べたとおり、胸鎖乳突筋は胸式呼吸をつかさどる筋肉の一つです。そのため、呼吸筋を鍛えるというアプローチ方法からでも胸鎖乳突筋を鍛えることができます。
呼吸筋を鍛えるなら、エアロフィットのような呼吸筋筋トレの専門の器具を使うことがおすすめです。
呼吸自体を改善することで深い胸式呼吸ができるようになり、その結果胸鎖乳突筋が鍛えられるということになります。
エアロフィット・アクティブ / AIROFIT ACTIVE
胸鎖乳突筋を鍛えると、健康面と美容面で一挙両得のメリットが得られる
胸鎖乳突筋は人間の体の中では小さな筋肉ですが、頭部と胴体をつなぎ、頭を動かすときに重要な働きをする筋肉です。
また、この筋肉がなめらかに動くことができなくなると、首がストレートネックになることに加え、胸部がうまく開かなくなるために呼吸が浅くなるなどの悪影響が出てしまいます。
加えてこの部分にコリが発生すると、リンパの流れが悪くなった結果排出物が顔にたまり、結果として顔がむくんでしまうなど、悲しいことにもなりかねません。
日頃から意識して、胸鎖乳突筋をストレッチしたり少しずつ鍛えておくことで、美しさと健康の両方を手に入れる事ができるようになります。
ぜひ、胸鎖乳突筋を日常生活で鍛えてみましょう。