肺の強さがみえる呼吸筋トレーナー|エアロフィットプロ2.0

【頬の使い方が鍵】循環呼吸のメリットとそのトレーニング方法とは?

【頬の使い方が鍵】循環呼吸のメリットとそのトレーニング方法とは?

 

吹奏楽の中でも、特に管楽器担当の人がマスターしておきたい呼吸法が「循環呼吸」です。

肺の動きと頬の動き、そして口の動きを連動させることで、息継ぎをせずに長い間演奏することができるようになる「循環呼吸」。この呼吸をマスターすると、演奏中苦しくなることがぐっと減ります。

この記事では、循環呼吸をマスターすると、演奏しているときにどのようなメリットが有るのか、また循環呼吸を身につけるためのトレーニング方法を解説します。

 

循環呼吸って、何?

一見したところ、矛盾する単語が並んでいるようにも思える「循環呼吸」ですが、実は管楽器の世界では一般的な言葉です。

まず、この循環呼吸について、概要をご紹介いたします。

 

「鼻から息を吸いながら、同時に口から息を出す」循環呼吸

循環呼吸において、鼻と口のそれぞれの役割は決まっています。

息を吐き出すのが口で、外気を取り入れるのが鼻です。

つまり鼻から外気を取り入れて口から吐き出すということを永遠に繰り返すことが「循環呼吸」となります。

ほとんどすべての管楽器は、口から吐き出した息で音を作ることになりますので、循環呼吸ができるようになると、息継ぎするための音の切れ目をいれることなく、管楽器を演奏できるようになります。

 

頬の使い方が循環呼吸の鍵

循環呼吸の成功の鍵になるのは頬の使い方です。

実は循環呼吸をする時、演奏者は鼻から吸った空気を直接口から吐き出しているわけではありません。

鼻から吸い込んだ外気はまず肺に集められます。その後その外気は肺から頬に移動し、頬に集められた空気が口から吐き出されているのです。

そして、頬から空気が吐き出されている間に、同時に鼻から空気が吸い込まれ、その空気が肺に行き、頬に行き、口から吐き出されます。

つまり、循環呼吸の時に、空気は鼻→肺→頬→口→楽器という順番で移動していくことになるのです。

そのため、循環呼吸では頬に空気を目一杯詰め込むことが必要になります。

イメージとしては、リスやハムスターが頬袋に餌を溜め込むように、頬に空気を溜め込んでその空気を楽器に吹き込みましょう。

 

肺にたっぷり空気を送り込むこと

そしてもう一つ、循環呼吸で大事なことは、鼻から外気を取り込むときに、しっかりと肺の奥まで空気を入れておくことです。

この時に肺に入れた空気が、数回の分割された形で頬にためこまれ、最後に頬から口を通して楽器に吹き込まれます。

そのため、循環呼吸をするときにはしっかりと外気を肺に入れておくことが必要になるのです。

 

循環呼吸ができるようになると、こんなメリットがある

では、循環呼吸ができるようになると、演奏者にはどんなメリットがあるのでしょうか。
主に次の3つのメリットが考えられます。

 

① ロングトーンが得意になる

循環呼吸をマスターすると、ブレスをする回数が減少します。

そのため、ロングトーンをしても安定した音を長時間出すことが可能になります。

また、循環呼吸ができるようになると、素早く指を動かす必要のあるテクニカルのパートでは、息が途中で切れる心配をする必要がないので、テクニカルな部分に神経を集中することができ、その結果として、演奏中の奏者の負担が一つ減ることになります。

このように、特に管楽器では、循環呼吸をすることで息が長く続くようになることは、おおきなアドバンテージとなるのです。

 

② 苦しさを解消するためのブレスをする必要がなくなる

循環呼吸ができるようになると、楽譜上にはない、余計な部分で息継ぎをすることが少なくなります。

これは、特に管楽器のアンサンブルをしているときに発揮されるアドバンテージです。

というのも、アンサンブルのメンバー全員で同時に息継ぎをしてしまうと、そこで音楽が一瞬消えてしまうため、メンバー全員で同じ瞬間に息継ぎをすることは避けなければいけません。

そのためにアンサンブルの演奏中は、メンバーは他のメンバーの息継ぎをするタイミングを見ながら、自分が息継ぎをする瞬間を見図る必要があります。

このため、演奏中には、「自分が息継ぎしたくても、なかなか息継ぎのタイミングが計れない」という事態も起こりえるのです。

しかし、このような事態にあっても、循環呼吸ができれば息継ぎをせずに演奏を続けることができるのです。

 

③ 最後まで余裕を持って演奏できるようになる

循環呼吸ができるようになると、長い曲でも最後まで余裕を持って演奏ができるようになります。

特に1曲だけではなく、何曲も続けて演奏をしなくてはならないコンサートやコンクールでは、最後の最後まで呼吸を維持して演奏することが、大きな課題となります。

循環呼吸をマスターすると常に肺に空気を入れながら演奏することができるので、演奏者のエネルギーの消費も最小限に抑えることができます。

その結果、何曲か演奏しても、最後まで息を切らさず演奏し続けることができるようになるのです。

 

循環呼吸のトレーニング

今まで見てきたように、管楽器を演奏する人には色々とメリットの多い循環呼吸ですが、ではどのような方法で循環呼吸をマスターするとよいのでしょうか。

具体的には、次のような方法が考えられます。

 

ストローとグラスの水でトレーニング

まず、細めのストローと、水を入れたグラスを用意します。

ストローの片方をグラスの中の水に入れて、もう一方から息を吹き入れます。

息を吹き込む前には、頬を空気でいっぱいにしてから、その頬の空気をストローに吹き込みましょう。

この時、吹き込む行きは肺からの息ではなく、頬に入れていた空気を吹き込むことを忘れずに。

頬の空気をストローに吹き込めるようになったら、次のステップに進みましょう。

今度は、頬の空気をストローに吹き入れながら、同時に鼻から息を吸い込みましょう。

これができるようになったら、循環呼吸は完璧です。

少しマスターするのに時間がかかるかもしれませんが、実際はそれほど難しいものではありません。

諦めすに、少しずつ、でも毎日この練習をしてみましょう。

 

腹直筋を中心に、呼吸筋を鍛える

循環呼吸をする時、ポイントの一つが頬の役割であり、もう一つが腹直筋の役割です。

演奏中に循環呼吸をする時には、肺にある空気を適切な量だけ、頬に送らなくてはいけません。

その時、頬に空気を送り出す働きをするのが腹直筋なのです。

このため、循環呼吸をマスターしたい人は、腹直筋の動きをコントロールできるようになる必要があります。

腹直筋には体幹を支える役割もありますが、同時に呼吸をつかさどる重要な筋肉の一つです。

呼吸筋を専門的に鍛えるエアロフィットのような器具を使いながら、呼吸筋である腹直筋を鍛えることも、循環呼吸をマスターする方法のひとつなのです。

 

循環呼吸をうまく使って、美しい演奏できるようになるために

吹奏楽で管楽器を担当する人ならぜひマスターしておきたい循環呼吸ですが、意外とコツさえつかむことができたら、マスターしやすい呼吸法でもあるのです。

ポイントは息をつなげるとき、肺から直接楽器に呼吸を吹き込むのではなく、一旦頬に空気を思い切りためてから、楽器を吹くことです。

腹筋を複数回使って、肺にある空気を分割して頬に送り込むことで、循環呼吸をキープすることが可能になります。

吹奏楽をする人は日頃から腹筋を鍛えていると思いますが、その腹筋をこの循環呼吸でも十分に活用して、素敵な音色を響かせましょう。

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