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【マスクをすると肺活量が増える?】マスク着用のメリット・デメリットやトレーニングする時の注意点を解説

【マスクをすると肺活量が増える?】マスク着用のメリット・デメリットやトレーニングする時の注意点を解説

 

新型コロナウイルス感染症の予防や飛沫対策のため、日常生活においてマスクの着用が欠かせません。トレーニングや運動を行うときにマスクを着用することによって息苦しさや違和感を感じますが、やむを得ずマスクをしているという人も多いのではないでしょうか。

一方、マスクを着用し、あえてスムーズな呼吸を妨げることによって肺活量が増えるのかなども、気になるところですよね。

そこで今回はマスクと肺活量の関係や、トレーニング中にマスクをしていても息苦しくならないための注意点について解説します。マスクを着用することのメリットとデメリットについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

マスクをつけてトレーニングすると肺活量は鍛えられる?

長引く新型コロナウイルス感染症の予防のため、マスクを着用することが日常の一部となりました。それは、トレーニングを行うときも同様でしょう。マスクを着用することで息苦しさを感じる一方で、私たちの肺活量にはどのような影響があるのでしょうか。

 

● 心肺機能の向上につながる可能性がある

「マスクを着用すると肺活量は上がるのか」という疑問に対して、結論からいうと、さまざまな観点からみて「マスクを着用することで必ず肺活量が増える」と言い切ることはできません。しかし、マスクを着用することで、少なからず、心肺機能の向上につながる可能性も秘めています。

そもそも肺活量とは、思いきり息を吸い込んだあと、力いっぱい吐き出した空気の量のこと。肺活量は肺の中に出し入れできる空気の量でもあり、呼吸機能の健康状態を知る目安であるともいわれています。

しかし、肺自体には、肺を動かすための機能は備わっていません。そこでカギとなってくるのが「呼吸筋」です。

呼吸筋とは、私たちが呼吸するときに肺を動かすためにはたらく筋肉のこと。代表的なものには、肋間筋や横隔膜、腹直筋などがあります。人間は呼吸をするときに必ず、この呼吸筋がはたらきます。

マスクを着用していて空気を吸い込みにくい環境では、同じ量の空気を体内に取り込むために、呼吸筋がいつもより活発にはたらく必要があります。そのため、マスクを着用することでスムーズな呼吸を妨げることになり、呼吸筋を鍛えるトレーニングとして有効であるといえます。

さらに、マスクを着用していて空気を吸い込みにくい環境下でトレーニングの回数を重ねていくと、次第に身体は順応していきます。そのままマスクを着用したトレーニングを数週間〜数ヵ月間、継続して行っていくと、体内に空気を取り込む機能、つまり、肺と呼吸筋の強化が期待できます。結果として、心肺機能の向上につながり、マスクを外したときの持久力も向上する可能性があるといえるでしょう。

肺活量を鍛えるための具体的なトレーニング方法は、こちら記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

【肺活量を増やす方法!】メリットや効果的なトレーニングとは?

【医師が解説!】肺活量を鍛える方法!肺活量エクササイズと注意点

 

● ただし、小児や心疾患などを持った人は注意が必要

マスクを着用したままトレーニングや運動を行うことは、呼吸のしづらさが心臓や肺に負担をかける可能性も指摘されています。そのため、小児や呼吸器疾患、心疾患などを持っている人は、マスクの着用には注意が必要です。

小学生や中学生のような心肺機能がまだ発達途上にある人は、心臓や肺への負担が増えると、突然、病気が発症する可能性があるといわれています。さらに、もともと心疾患や呼吸器疾患を持っている人がマスクを着用することによって、さらなる息苦しさや呼吸困難を引き起こす可能性もあります。

マスクを着用した状態でトレーニングを行う必要がある場合には、あらかじめ主治医や近隣の医療機関で相談するようにしましょう。

 

マスクがもたらすメリット

マスクを着用したままトレーニングを行うと、少なからず心肺機能の向上が期待できることをお伝えしました。それ以外にも、マスクを着用することで生じるメリットはどのようものがあるのでしょうか。

 

● ウイルスや花粉の体内への侵入を防ぐ

マスクというフィルターを通すことで、身体にとって有害な物質の体内への侵入を防ぐことができます。有害な物質とは、風邪やインフルエンザなどのウイルスに限ったことではありません。

たとえば、ランニングやマラソンなど屋外でトレーニングを行うときには、マスクをしていることで口や鼻を覆うことができ、新型コロナウイルスや風邪などのほかにも、花粉や排気ガス、PM2.5、虫などの侵入を防ぐことが可能です。

さらに、花粉症でない人も、花粉を吸い込む量を少なくすることで、新たに花粉症になる可能性を低くすることができるでしょう。

 

● 防寒対策

特に寒い時期には、マスクを着用することで冷たい外気を直接体内に入れず、防寒対策としても活用することができます。

冬場は外の空気も冷えやすく、のどは冷たい空気に長時間さらされることになります。身体の調子が悪いときにのどを冷やすと、体調がさらに悪化するリスクもあります。マスクを着用していれば、自分の吐き出した、温かい空気によってのどが冷えにくくなり、風邪などのリスクから身を守ることができます。

さらに、マスクを着用すれば風が直接、顔にあたることもないため、肌を保護することもできます。冷たい空気によって頬や唇が冷えると、血流も滞りやすくなるもの。血流の悪さは肌のくすみにも繋がりますが、マスクをすることで、冷たい空気が肌に直接触れることを防ぐことができます。

 

● 鼻やのどの乾燥対策

新型コロナウイルス感染症が流行する前から、冬になると着用率が圧倒的に上がっていたマスク。風邪予防、乾燥予防にマスクを活用していたという人も多いのではないでしょうか。空気が乾燥しやすい時期は、鼻やのどの乾燥も加速しやすくなります。

マスクをしていれば、マスクの内部に自分の吐いた息がこもり、口のまわりの湿度が高い状態になります。そして、その湿った空気を吸うことで、鼻やのどの乾燥を防ぐことにつながるでしょう。

 

マスクがもたらすデメリット

マスクを着用することで、ウイルスや花粉の侵入対策、防寒や乾燥対策につながります。一方、マスクがもたらすデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここではトレーニングや運動における、マスクがもたらすデメリットを解説します。

 

● 心理的な制限、圧迫感を感じる

マスクを着用することは、トレーニングや運動を行うときに、心理的な制限や圧迫感を与えるというデメリットがあります。私たちは体内に取り込んだ酸素をエネルギーに変えて運動しているため、呼吸をしづらくするマスクには自然と嫌悪感を感じるのではないでしょうか。

また、マスクには大きく分けて「平面型」「プリーツ型」「立体型」と3つの種類があります。そのなかでもマスクの代名詞でもある「平面型」は、鼻が押しつぶされるような感覚があり、圧迫感を強く感じる人もいるでしょう。平面型を着用する場合には、しっかりノーズワイヤーを鼻の形に沿わせるなど工夫が必要です。

 

● パフォーマンスが低下する

マスクしながらトレーニングや運動を行うと、マスクは呼吸の妨げにもなるため、酸素が効率よく体内へ取り込めず、パフォーマンスが低下することが考えられます。

また、市販されているマスクの多くは、吐いた息による水分がうまく吸収されないため、時間が経つにつれてマスクが湿ってしまい、不快感やストレスを感じやすいでしょう。

さらに、日常生活でマスクをつけているだけでも、耳が痛くなったり、メガネがくもったりするなどの悩みがあります。トレーニングや運動の際は、さらに活発な身体の動きが加わるため、できることならつけたくないと感じる人も多いのではないでしょうか。

 

● 酸欠状態になりやすい

トレーニング運動において、身体を動かすときにもっとも大切なことは、十分な酸素を全身に行きわたらせることです。しかし、マスクによる息苦しさから、呼吸が浅くなると、体内に取り込む酸素の量が減り、酸欠状態におちいってしまう可能性があります。

酸欠状態は

  • 心肺機能の低下
  • 集中力の低下
  • 免疫力の低下
  • 疲れやすい
  • 動悸や息切れを起こしやすくなる

など、私たちの身体にさまざまな影響を及ぼします。

さらに、この酸欠状態はメンタルにも影響を及ぼします。精神を安定させるはたらきがあるホルモンに「セロトニン」があります。脳に酸素が行きわたらないと、このセロトニンの分泌が滞るため、不安やイライラが増幅してしまう可能性が考えられています。

 

トレーニング中に息苦しくならないための、マスクの選び方

 

ここでは少しでもマスクによる息苦しさや不快感を軽減させることができるマスクの選び方をご紹介します。

 

● 季節や使用用途に合わせる

新型コロナウイルス感染症の影響もあって、これまで以上に、素材や形状、機能などさまざまな種類のマスクが市販されています。少しでもマスクによる不快感や違和感を取り除くためにも、季節や使用する場面に合わせたマスクを選ぶようにしましょう。

たとえば、冬〜春先の花粉が多く飛散する時期であれば、花粉対策用のマスクをすることで、花粉の侵入を和らげることができます。マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1程度に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。

夏にマスクを着用したままトレーニングを行う際には、肌に触れるとひんやりと感じる接触冷感のものを選ぶと、マスクによってこもる熱や暑さを低減させることができます。また、汗をかきやすい季節でもありますので通気性の良い速乾タイプのマスクや、UVカット機能を備えたマスクなどを選ぶこともおすすめです。

先ほどお伝えしたように、冬用のマスクは防寒対策にもなり、保温性のある素材で作られているマスクもあります。最近ではドラッグストアなどに売られているマスクの種類も非常に豊富ですので、季節や気温、用途に合わせてマスクを選んでみましょう。

 

● マスクの大きさ、形状を選ぶ

マスクが小さく顔に密着し過ぎていても息苦しくなってしまいますが、大きすぎるサイズは、トレーニング中にずれてしまうだけでなく、隙間から飛沫を拡散してしまう可能性があります。そのため、「女性用」「小さめ」「子ども用」などご自身のサイズに合ったマスクを選ぶといいでしょう。

また、息苦しさを軽減したいときには、口や鼻のまわりにマスク内で空間ができる「立体型」のものを選ぶことをおすすめします。

 

● 本体やフィルターが洗濯・交換できるものを選ぶ

使い捨てマスクは清潔さを保つことができる一方、購入費用がかさむという欠点があります。そこで、マスク本体やフィルターが洗濯・交換できるものを選びましょう。

スポーツのときでも快適に着用できるタイプのマスクは、通常のマスクと比較すると値段が高めではありますが、洗濯して繰り返し使えるため、結果として経済的である場合があります。

 

 

マスクをしてトレーニングするときの注意すべきポイント

 

マスクをしてトレーニングするときには、どのような点に注意すべきでしょうか。ここでは注意すべき4つのポイントを解説します。

 

● 口呼吸ではなく鼻呼吸をする

マスク1枚でも呼吸に負荷がかかり、暑さや苦しさから「口呼吸」をする人が増えています。口呼吸をすると口内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や口内炎なども患いやすくなります。

そこで、意識して行いたいのが「鼻呼吸」です。鼻はホコリやウイルスを取り除くフィルターのような役目を持っています。鼻を通って体内に入る空気は適度に加温、加湿されて肺に送り込まれるため、天然の空気清浄機のような機能も果たしています。

口呼吸では、人間が本来持っている鼻のフィルター効果が活用されないことになります。また、マスクを着用すると、自分が吐き出した空気を再び吸い込む割合が高くなり、新鮮な空気を取り込む割合が減るという側面もあるようです。

 

● 夏季は、熱中症の危険性がある

気温が高くなる夏場は熱中症のリスクがありますが、さらにマスクを着用したままトレーニングや運動を行うと、熱中症のリスクが高まる傾向にあります。

特に、ランニングやマラソンなど屋外で走ると、マスクの内部に熱がこもりやすくなり、走ることで体温も上昇するため、熱中症になる危険は高くなります。

そのため、気温が高い日にマスクをつけてランニングやマラソンを行うときは、無理をせず、少しでも不調を感じるようであれば早めに休憩をとるなど、リスクを避ける行動を心がけましょう。また、こまめに水分補給をすることも大切です。

 

● 日焼け対策をする

夏は紫外線の量も増える季節です。一般的にマスクは紫外線を透過するので、マスク越しに日焼けをしたり、日焼けムラを起こしてしまったりする可能性も。マスクをしているからといって油断せず、日焼け止めクリームを塗ることを徹底しましょう。

場合によってはトレーニングを行う時間帯や、日に当たらない場所を選んでトレーニングを行うなどの対策を検討してみましょう。

 

● 運動強度に気をつける

マスクを着用した状態でトレーニングや運動を行う場合、いつも以上に運動強度にも気を配る必要があります。たとえば、気温が高い日にマスクをつけてランニングやマラソンを行うときは、無理をせず、短時間や短距離からはじめるようにしましょう。

マスクを着用した状態で走ると息苦しさを感じてしまうため、走ること自体が困難になってしまう場合もあります。また、身体に強い負担がかかるランニング方法であるため、身体が弱い人や高齢者の人は行わないようにすることをおすすめします。

 

マスクをつけて快適にトレーニングするための対策を

マスクをつけることによって得られる効果はさまざまな意見がありますが、少なからず呼吸筋の強化につながると考えられます。しかし、「高地トレーニング」や「低酸素トレーニング」のような効果を得られるというわけではありません。そのため、いまだコロナ禍にある現代においては、感染リスクの軽減、感染拡大防止という観点から、マスクを着用してのトレーニングが望ましいといえるしょう。

マスクをしてトレーニングや運動を行うときには、今回ご紹介した注意点すべきポイントを再度確認し、適切にトレーニングを実施するよう心がけましょう。

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